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2011年9月6日火曜日

流木の危険性

台風12号による記録的豪雨で、土砂崩れや洪水の模様が放送されている。紀伊半島の土砂崩れと洪水による被害は特に凄まじい。

映像を見て気づいたのだが、流木が非常に多い。河原のあちこちに転がっているだけでなく、橋に引っかかり川をせき止めたようである。これで水位が更に上昇し、堤防を越えて家屋を破壊していったのではないか。山が荒れていると昨今指摘されているが、被害をもたらした流木がそれを暗示しているように思われてならない。

流木による被害で思い出すのは、3.11の津波による被災である。拙者3月に訪問した時に、盛・大船渡町方面の被災エリアで、流木が突き刺ささった建物を何件も目にしていたのである。後でYouTubeの映像を見ると、港の岩壁付近に確かに貯木場があった。あの山と積まれた大木群が速い潮に流されて、まるで柵から解き離れた猪突猛進の闘牛の群れのごとく、上流域の家々に突っ込んでいったことが想像される。一本数百キロの重さはあろう丸太は、水位1mもあれば完全に浮いてしまう。これが、時速20-30kmの人間の駆けるスピードでぶつかっただけでも、相当な衝撃である。貯木場に何本あったかは知らないが、仮に1000本あったとすれば、それだけでも破壊力は凄まじい。海から離れた盛地区も被災しているが、流木の被害が無ければ、床上浸水だけで済んだ家屋が結構あったのではないだろうか。
建物に突き刺さる丸太群 (大船渡町)

高台にも転がる丸太 (地ノ森バス停)
盛町方面を見下ろす。

今回の記録的豪雨では、土砂崩れが多発している。地盤の脆そうな山の急斜面は、映像で見る限り、杉の人工林で覆われているようだ。これらの人工の森が荒れるに任せておいて、防災上問題はないのだろうか。洪水被害を拡大した元凶は、無数の流木ではないのか。そしてこれらは、山に放置された間伐材や風倒木ではないのか。

やはり、倒木を山に放置せずに、木質バイオマス発電の燃料などで常々有効利用しておけば、洪水被害は少なかったのではないのか。と、防災と自然エネルギー有効利用の観点から思った次第である。

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PS:
関東大震災の未曽有の被害は、地震そのものよりも、その後に発生した大火災にあったことは良く知られている。だが、大火の元凶は、「関東大震災」の作者、吉村昭が指摘しているのだが、家財道具を運んでいた大八車にあったことは、あまり知られていない。

家財道具を運ぶ無数の大八車で道が塞がれ、消火活動が思うに任せなかったらしい。更には、避難所に積まれた家財道具に火が燃え移り、集まった多くの市民も大火の犠牲になっている。

天災による被害の拡大は、人間の事前の防災対策如何にある。堤防とか砂防ダムなどハード面だけに頼るのではなく、山林管理や人々の防災意識などのソフト面の重要性も、3.11で再認識されたのではないだろうか。
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