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2011年9月3日土曜日

変わる町

台風による被害の模様が朝から報道されている。この時期は毎度のことながら、台風の通り道となる西国の地に住まわれる方々には、同情せざるを得ない。

東北の太平洋側に位置する気仙の地は、台風が襲来することは殆ど無い。あったとしても、勢力は衰えている。唯一記憶のある大きな台風は小学生の頃に遡る。台風が過ぎ去った朝外に出てみると、豚小屋がひっくり返り、飼っていた豚が周辺の麦畑に隠れていた。対岸の杉の木は根元から倒され、沢の流れを跨いで橋のようになっていたので、子供達の恰好の遊び場になった。年代的に、記録的な被害をもたらした伊勢湾台風の時だったかも知れない。それ以外は、個人的には田舎での台風の被害は見聞きしたことがないのである。

当時は、屋根を杉皮で葺き重しの石を載せただけの古い家屋が少なくなく、ちょっとした強風に対しても心もとないものがあった。最近は、立派な今風の家が多くなり、強風や地震の揺れに対しても強くなっている。

気仙の地は、台風の襲来は殆ど無く大洪水とも無縁である。火山が一つもない古い地層の北上山地の一角にあり、地盤は安定。土砂崩れや地震による倒壊の心配もないようだ。太平洋側で夏は涼しく冬は雪が殆ど積もらない。山海に恵まれ、天災と無縁な住み良い地と、実は3.11までは内心思っていたのである。

今後、津波の達しない高台に新たな街づくりを進めていく他はない。いや、既に高台の新興住宅地は、自動車と水道の普及に伴い徐々に広がっていたのである。そこは被災から免れており、ここを中心に新たな安全な街づくりをしていかなければならないようだ。

拙者の実家は、海も見えない、山国と見間違えてしまうような高台にある。海沿いの平地集落から孤立し、何かと不便であった。それが3.11以降、近辺に漁協支店が移ってきた。そして、今のところ町内唯一と思われるスーパーもお盆前にオープンし、繁盛している。町の様相が急速に変わりつつある。津波と無縁の高台の町に生まれ変わった時に、沿岸の漁業施設は致し方無いとしても、気仙の地は天災に強い住みよい里になる筈である。
町唯一のスーパーがオープン
後方の右端に漁協支店
後方の高台には集落が既に形成されている。

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