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2011年8月27日土曜日

被災地を自然エネルギー発電基地に

再生可能エネルギー(自然エネルギー)に関心が集まっている。原発はとてもじゃないがヤバ過ぎと誰もが認識した今日、早急な転換が迫られている。だが、自然エネルギーと言えば何かと太陽光発電や風力発電が注目され、それ以外は言及されないのが残念でならない。

個人的には、早急な転換という状況を踏まえれば、木質バイオマス発電に期待している。これで全ての電力を賄える訳ではないが、多くの副次効果が期待できるからである。

木質バイオマス発電の原型は、昭和30年代まで全国どの家庭でも使われていた薪・炭火力そのもので、言わば人類誕生から永々と利用されてきた火力源ともいえる。薪を燃やして調理し風呂を沸かし、暖をとってきた。生活様式が変わり、現在それはほぼゼロになったことを考えれば、相当のエネルギー源が利用されずに裏山に捨てられている。放射能や産業廃棄物も出さないし、人類と長い間共生してきたエネルギー源として安心感がある。また、水と陽の光に恵まれた国内には、森林資源は豊富に存在する。日本の自然条件に合致し、しかも伝統的な再生可能エネルギーといえるにもかかわらず、あまり言及されないことが腑に落ちないのである。

国内の木材は戦後安い外材に押され長い間低迷している。 (一方で、熱帯ジャングルやツンドラ地帯の天然林を乱伐し、自然破壊の一翼を担ってきた訳でもあるが・・・。) その結果、国内の林業従事者の減少と高齢化が深刻な問題になっている。森林は人手不足から間伐されず山は荒れ放題である。利益にならなければ人は雇えず、産業は衰退していくのは当然である。しかし、森林のもたらす利益は、水・空気・土壌、そして生物多様性などお金には換算できない多大なものがあり、それが放置されているのは嘆かわしい。

ところが、世界のカネ余りで、日本人が見向きもしなかった国内の森林資源に、外国の投機家連中の手が密かに伸びているらしい。豊かな水源地の山々が、将来投機の対象となる可能性があるのだ。森林を維持しながら適度な利益が得られる仕組みがあれば、国内の林業経営者は代々守ってきや山林を怪しげな外資に手放すこともないはずなのに・・・。

そこで期待したいのが、森林再生を兼ねた自然エネルギーとしての木質バイオマス発電である。間伐材を利用した発電所を全国の山間部に設けることで、エネルギーの地産地消化を目指し、その地域内でお金が回るようにする。地元の森林資源を利用し、地元に電気を供給する。衰退していた山里が再び活況を呈し、若い人材が流入してくれば、山里の人口減少と限界集落問題も多少は緩和されよう。

バイオマス発電の普及は、疲弊した山里だけでなく、3.11の津波被災地(沿岸ではあるが森林も豊富)の産業復興にも有効がある。津波により膨大な瓦礫が発生した。その中には、多くの木材も混じっている。ただ焼却処分するだけでは脳がない。これを利用したバイオマス発電で一気に弾みをつけ、更には津波で流され地盤沈下の著しい広大な平地には太陽光発電パネルを設置する。原発に代わる新たな自然エネルギー発電産業を創出するのはどうであろうか。安定した雇用が得られれば、若者も地元に残ってくれる。そして彼らが被災した町や村を復興し、地域の伝統を守る一翼を担うことになる。とすれば、死者の魂も浮かばれよう。
瓦礫の山(後方は被災した県立高田高校)
(バイオマス発電の可能性)
周辺には森林資源も豊富

陸前高田旧市街地跡
(太陽光発電の可能性)
広大な平地に太陽光パネルを設置するだけなので、
土地を掘り返す必要はない。
市街地跡をそのまま残せるので、
故郷に愛着を持つ被災者の方にも
抵抗が少ないのでは・・・。
太平洋側につき冬でも晴天率は高く、
太陽光発電に適している。
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