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2011年8月6日土曜日

自転車:赤字ローカル線の救世主

JR東日本では、この3月期に震災の復旧費用として587億円の特別損失を計上したと報道されていた。これには、大船渡線など破壞された沿岸在来線の分は含まれていないらしい。同様に被災した東北新幹線は、震災から49日後に全線復旧している。当然ながら、主要路線、いわゆるドル箱路線の復旧に優先的に予算が投下された訳である。

在来線の復旧はいつになるのだろうか。気になる所であるが、大船渡線を見る限り全く手付かずの状態である。他の被災路線も同じであろう。民間企業の行動原理としては理解できるが、釈然としないものがある。新幹線の通る沿線は高速道路も並行して走っている。一方、三陸の沿岸は在来線が不通となり、自動車専用道路の完成もいつになるのやら。同じ日本に住みながら、益々ハンディを背負わされることになる。
軌道に放置されたままの車両(大船渡線、魚市場付近)
この写真は震災直後のものであるが、
7月帰省時もそのもま放置されていた。

JR東日本は、震災で大きな被害を受けた訳だが、それでも半期で何と762億円の純利を計上しているらしい。前の半期の37%減にもかかわらず、十分利益が得られているのはアッパレと言わざるを得ない。

従業員数を調べてみたら昨年4月時点で60,190名。仮に、従業員一人平均100万円年収を減らして頂けたとすれば、年間600億円の余剰金が生まれる。お気の毒ではあるが、これを5年間続けて頂ければ、3000億円となり、被災した在来線の全面復旧が可能ではないのだろうか。仮に復旧したとしても、万年赤字路線という難問を抱えているのだが。そこで・・・。
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田舎は、自宅や目的地が最寄りの駅から離れていることが多いので、車を利用しがちである。今日、ローカル線の主な利用者は、自動車免許の取得年齢に満たない高校生であろうか。人口減少・少子化問題も絡み、利用者は減る一方、当然万年赤字路線に陥る。そしていずれ廃線の運命となり、更に過疎化が進む。まさに、負の連鎖である。この連鎖をどこかで断ち切らなければならない。

列車は軌道上を走るので、移動の自由度が乏しい。この欠点を自転車で補えば、地方の鉄道の利便性が増す筈である。鉄道列車は余剰スペースが多く輪行に適した交通機関ではあるが、日常手軽に利用するには未だまだ問題が多い。自転車を転がしたまま、スムーズに列車に乗り降りできるように、駅舎や車両を見直す必要がある。

そこで提案であるが、被災した路線を利用し、自転車との共存を考えた鉄道交通システムの試験運用を実施してみるのはどうであろうか。流された駅舎は、自転車が駅ホームにアクセスし易い構造に再建し、車両を自転車利用に適したものに改良していく。そして、長期にわたり利用者動向を観察する。赤字に悩む路線の鉄道利用者は格段に増えるのではないだろうか。黒字化は無理かもしれないが、赤字を相当減らすことは可能だ。努力次第では、黒字に転化することもあり得るかも知れない。そうすれば、廃線の危機に喘ぐ全国の赤字ローカル線にとっても光明である。

自転車は赤字ローカル線の救世主か。先ずは、試験運用が証明してくれよう。
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PS:
いずれ全国に、自動車専用道が完備される。赤字ローカル線を旧態依然のまま放置しておけば、鉄道交通は長距離バスに対して優位性を維持できなくなる。その結果、新幹線そのものの利用価値も下がる筈である。フットワークが軽く安い長距離バスの方が、気仙のような遠隔地に行くのに遥かに便利だからである。

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