Powered By Blogger

2011年8月11日木曜日

巨大なお堀

本日、パソコンの無い田舎に帰省するので、一週間程ブログの更新は無い。

不在中に8.15の日が来る。終戦記念日であるが、実際は敗戦の日でもある。戦乱に巻き込まれたアジアの民にとっては解放記念日とも言える。当時の国の立場により、呼称は様々である。我が国においては敗戦を記念する訳にもいかず、無難なところで「終戦記念日」に落ち着いたのであろう。

拙者が上京した当時、杉田二郎の「戦争を知らない子供たち」が街角から流れてきた。1945.8.15以降軍隊は解体され、若者は兵役で招集されることも無くなった。拙者世代は、日清・日露の頃よりの続いてきた臨戦状態から解放され、平和な時代に生まれた。杉田二郎の高らかに歌った、戦争を知らない世代である。

四方海に囲まれた日本は、言わば天然の要塞である。この安全を保証してくれる巨大なお堀の外にノコノコ出かけ大陸に進出したのでは、それに反感を抱く大陸の人々に常に包囲され、大きな犠牲を払うのは当然かも知れない。北の大国ロシアの脅威もあったであろうが、危険を冒してでも推し進めようとする最大の動機、いわゆるモチベーションは、結局のところ利権やお金であろう。欧米の帝国主義を真似るかのように、権益を拡大し、そして戦争という破壊行為に伴い、それがバブルの如く膨張し、最後に破裂したように思えてならない。

戦争は知らないが、70年代のオイルショック、1990年のバブル崩壊、そして3.11のフクシマ等は、戦争行為程の影響は無いにしても、共通するものを感ずる。どこか危ういと感じていながら、大きな渦に巻き込まれていく。個々の意見が通らぬ、それは、国が推し進める政策だからと。マスコミもまた煽りまくる。そして、世は一点に向かい加速し、暴走し、そして破裂する。

戦後世代にとり、8.15は「旧弊からの解放の日」と言える。軍は解体され、農地は解放され、財閥は解体され、貴族特権は無くなり、男女同権と選挙権が与えられ、言論弾圧も一応は無くなり、等々・・・・。いま当たり前のことが、66年前のこの日を境に、占領軍の指導の下、短期間で推し進められた。それまでの根強くあった身分階級も、既得権益も、改革の反対勢力も、”So what?”と彼らには通じない。終戦から10年後、拙者が物心ついた時には、既に今日のような社会になっていた。

いろいろご意見はあろうが、気仙の半農半漁民の出の拙者、個人的には、8.15以降のGHQの指導・対応に対しサンキュー・ベリマッチと感謝したい。兎に角、個人的には何の恨みもない他国の同世代の若者達と、上官の命令に従い、銃で撃ち合うことがない世の中になっただけでも幸運である。

平和ボケしている間に、大国同士が大陸間弾道ミサイルで互いに標準を合わせ対峙している。そして更にはテロとの戦いも。最近の国際情勢は、まるで雲の如く捉え切れない・・・。

航空技術が発達した今日でも、国土を守る巨大なお堀の存在は有難い。

人気ブログランキングへ

0 件のコメント:

コメントを投稿