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2011年6月24日金曜日

本郷菊坂

週刊新潮を読んで知ったのだが、文藝春秋に最近掲載された、著名なジャーナリストT氏の記事が問題になっているらしい。ヤッパリ・・・と納得。件の記事を拙者も偶然読んでおり、信じられない気持ちでいたからだ。

記事の概要はこうである。明治25年前後、樋口一葉一家が本郷菊坂に住んでいた訳だが、当時彼女も利用したという井戸が現存している。これを、歴史文化に無理解な地元住民の訴えで、周辺の古い街並みともども取り壊してしまった云々・・・。

実は拙者自身、昨年末にこの井戸を訪ね見てきている。周辺の、今では奇跡とも思える戦前の街並みが現存していたことに深く感心したものである。T氏の記事を読み、僅か半年で一変してしまうものだろうか、特に工事案内も無かったことでもあり、半信半疑であった。
(案内板はないが一葉の井戸と思われる@2010.12.24)


本郷の台地上には広大な東大キャンパスがある。大学に隣接した一画には、理化学・医療器具関連の業者が集積していて、若い時分に取引があった。そんなことで、坂下の地下鉄の駅との往来に菊坂を利用したものである。当時は歴史文化にあまり興味が無かったので、坂道の名前さえ知らなかった。無関心とは恐ろしいものである


(階段を登った所の通りが菊坂@2010.12.24)


東京は台地が多く坂道も意外と厳しい。本郷台もその一つだ。変速無しの自転車では、一度降りなければならない。ところが、本郷菊坂は、斜面を直登するのではなく、右斜めに緩やかなスロープになっている。人力だった当時、本郷台に登る坂道の中で最も大八車フレンドリーな通りとして、低地と台地の往来で栄えたのであろう。自動車一台が通れるくらいの狭い道であるが、今でも古い質屋や戦前の街並みが息づいており、往時を偲ぶことができる。


「親孝行、したい時に親はなし。」繰り返すが、無関心とは恐ろしいものである。
反省・・・。

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