さて、拙者にとり夏は輪行の季節。今季は帰省以外どこにも出かけず、不発に終わる。そこで、前回に引き続き1995年の輪行記録を思い出し、この夏のジ・エンドとしたい。変速機無しの2号機による最後の輪行、それが16年前の9月のこと。信州と秩父を分ける三国峠越えに挑戦した。
■輪行日: 1995.09.09 - 三国峠越え (信州から秩父側へ)
新宿駅前夜発
→野辺山駅(8:45)→川上村→三国峠(11:30)→中津川 →大滝村 →三峰口(15:00) →秩父(18:00)
小海線野辺山駅は、JRの駅で日本一標高が高い地点(標高1,345.67m)に位置する。ここから川上村までは下り坂である。村に入ると、途中からは7月29日の大弛峠越えの下りに利用した道を暫く登ることになる。三国峠までは、徐々に勾配がきつくはなるが、登り下りが無いぶん素直な行程といえる。
三国峠の名称は全国各地にあるが、今回は信州と秩父の国境にある峠である。ここまでは舗装されており、体力の衰えた拙者でも苦労なく登れた。秩父側は一転、未舗装だったと記憶している。道幅も狭く険しく、行程は長く、深山の林道という趣である。
中津川に沿って暫く下ると最初の民家が現れてきた。ダム工事による移転を拒み、居続けている集落のようだ。周囲の山は、貯水時の水位あたりまで芝木が刈り取られていた。それから判断するに、この集落は完全に水没する運命だ。かつては森林経営でそれなりに栄えていた集落だったのかも知れない。その後、山は見捨てられ、若者は村を離れていく。そして、残った人達も、ダムの完成と同時に先祖伝来の地を離れていかざるを得ないようだ。
芝木が刈られた右岸の道を暫く下ると、ダム工事現場に到達する。ここからの急坂を下ると、見慣れた山村集落が点在する道になる。
ここからは、お気楽なサイクリング。学生時分に登山で利用した三峰口の駅前を通過。秩父盆地の平坦地に降りてからは、自動車の多い幹線道路を避け、静かな裏道を行くようにする。路傍には古い石仏が多く、秩父の歴史を感じさせてくれる。秩父駅は何度も利用したことはあるが、その周辺は歩いた事がない。急ぐ理由はないので、古い町並みを気ままにサイクリング。食堂で腹ごしらえしてから、西武線で帰京する。
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以上が、1995年の輪行の記録である。変速機無しの自転車での輪行もこれまで。その後3年間、輪行から離れる。1998年に6段変速機の自転車(3号機)を入手してから、輪行の意欲が戻ってきた。後日また、その輪行記録を順に紹介していくことにする。
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