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2011年8月19日金曜日

輪行:被災地帰省

811日から18日まで帰省していた。夜は涼しくよく眠れ、畑で採れたての無農薬野菜や海の幸を食し実に健康的。深夜型の体内時計が、涼しい早朝と夕方の農作業のお手伝いで、自然に矯正される。体内に貯まった都会の毒素がすっかり排出された気のする、再生の一週間であった。

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先月の一時帰省では、一ノ関駅まで新幹線で行き、そこで大船渡・盛行きのバス(所要時間:2時間)に乗り換えたのだが、今回は、お盆帰省ラッシュを考慮し、比較的空いていそうなMaxやまびこで先ず仙台に行き、そこから盛行きのバス(所要時間:4時間)に乗り換えることにした。
 仙台から大船渡行きバスの混雑した車内
(トンネル通過中)

仙台までは予想通りスムーズに行けた。だが、仙台始発のバスは専用トランクが利用できるだろうと甘く考えていたのが失敗だった。一ノ関からのバス同様、専用トランクがオンボロで開かないのだ。しかも前席とのスペースが20cm程短く狭苦しい。バスを待つ列に、ボランティア活動で大船渡に行くというカナダ人女性も大小3つの手荷物を抱えていた。左手に拙者の自転車を右手に彼女の一番重い荷物を持ち、満員の客室の通路後方に押し込むことになる。座席は補助席を含め完全に満席で、通路も手荷物で一杯。狭く暑苦しい4時間のドライブであった。乗客の20%程度は高田で降りやや空席ができたので、二列前の席に座るカナダ人女性とやっと話すことができ、出身、目的地等が分かった次第である。以前、英語指導者として奈良に滞在経験があり、日本語は話せないながらも、一人遥々大船渡に行くらしい。

乗客の多くが盛サンリア前で降り、我々も大きな手荷物を引きずりながら後に続く。彼女の迎えは無いという。行く場所を示した地図を見せてもらう。盛商店街の旧道に沿った所にそのボランティア事務所があるようだ。歩いて4-5分程度なので、自転車の組み立てを終えるのを待って頂き、案内することにする。
カナダからのボランティアスタッフ(C嬢)
盛サンリア前にて(2011.8.11撮影)
ご本人了承の上撮影および掲載

旧道を左折すると目的地がすぐ分かった。彼女の同僚らしき女性達が浴衣姿で事務所前の路上で夕涼んでいるのでよく目立つ。7日に催された盛町の七夕夏祭の直後だけに、その余韻が続いていたのであろう。地元の浴衣姿の若い女性達も出入りしており、まさに国際交流の場の趣である。怪しげなオヤジの存在は異様であり、長居は禁物。KYサンにならぬうちに、早々彼女に荷物を引渡し、サヨナラを言って末崎に向かう。


地ノ森を越え埋立地付近に来ると、左手に太平洋セメント工場が見えてくる。その手前には、昨年操業開始後まもなくして被災したという阿部長商店大船渡工場を見つけた。気仙沼を拠点とする同社だが、輸出港として期待する大船渡に進出したばかりでの大損失。NHKの放送で知ったのだが、工場建屋は致命的な損傷を免れ再開が可能らしい。同社の気仙沼や石巻の工場も同様の損傷を受けているようだが、大船渡工場が希望の光として再興することを期待してやまない。
阿部長商店大船渡工場遠望

破壊されたまま放置された廃墟のビル街を抜け、魚市場を左に見ながら沿岸の旧道を下船渡に向かう。途中、冠水がひどく通行できない。大船渡線に退避し、更に上を通るバイパスに逃れる。
下船渡の冠水地点

下船渡の住宅地には同級生家族が避難している。ちょうど帰宅する時刻でもあったので立ち寄ってみると、まもなくご本人が帰宅してきた。バスが混んで食べられなかった寿司弁当をつまみながら、名簿確認と復活アルバム案内の草稿に不備がないかチェックしてもらう。被災から半年の来月にはDMを実施したい旨説明する。

実家に向かった頃には辺りはすっかり暗くなっていた。かつては家屋や商店が密集していた細浦地区の今は誰もいない平地の闇の中を、一人自転車を漕ぎ続けた。


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昨日上京。

朝から雨模様。早めに昼食を摂り、雨が止んだタイミングで家を出たのが1150am。盛サンリア前からの一ノ関行きバスは1:31pm。時間的ゆとりは十分である。
  • 細浦地区の峯岸で丁度1200am
  • 船河原から丸森の急坂を越えて大船渡小学校下には0:25pm
  • 盛サンリア前バス停は0:45pm

末崎の実家から55分要したことになる。

到着してから雨は本降りになってきた。サンリア入り口付近の雨の当たらない場所で自転車を折り畳み、専用バッグに収納する。バスの時刻まで30分ほど余裕があった。

バスは6-7割程度の込み具合で、自転車は横の座席に置くことができた。前の座席とゆとりがあり足を伸ばせるのが有難い。仙台便の狭いバスはもうコリゴリである。

一ノ関駅の待合室でラーメンを食べていると、盛から同じバスでやってきた外国の若者が休憩の席を探しにやってきた。隣の空いた席を勧める。やはりボランティアの青年で、四週間滞在していたらしい。仙台からのバスで知り合ったカナダ人女性の話をしたところ、沢山仲間がいたので誰だか分からないという。そこで、携帯で撮った写真を見せたところご存知であった。この青年、ニューヨークのブロンクス出身で、現在は西海岸に住んでいるらしい。21歳ということで驚いた。当方、30歳代と思っていたのだ。大学の夏休みを利用しボランティア活動に来たのであろう。最初はお腹一杯だと行っていたのだが、拙者の食べているラーメンに興味を持ったらしい。そこで一杯注文する。下の写真がそのラーメンをすすっている写真である。
ラーメンをすするDavid君
一ノ関駅にて
(2011.8.18撮影)
ご本人了承の上撮影および掲載

彼のカメラを借りて、そのユーモラスな姿を写真に収める。彼の撮影した動画を見せてもらう。七夕夏祭りの子供達の踊るあどけない姿に興味を持たれたようである。ボランティア活動を通じ、日本の文化の一端に触れたことも有意義であろう。話に夢中になっていると、拙者の電車の到着まで3分しかないことに気がついた。自己紹介する暇もなく慌ただしく握手をして別れ、自転車バッグのベルトを首に引っ掛けて、新幹線乗り場に急いだ。
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