早朝、チャイムで起こされる。今回はT電ならぬ東京ガスの工事関係者…。
階下でガス漏れの急報があり、暫くガスの供給をストップするという。当方は都市ガスを使用しておらず関係ないが、事は重大と階下の現場に降りていった。階下の住人が室内にたまたま置いてあったガス検知器が警報を発したらしい。供給弁を閉じてガスを一端停止。配管が埋設してある付近の廊下のコンクリートを剥がし始めた。
当時埋設されたガス管は鉄製で、寿命は20-30年とのこと。鉄製なので、いずれ腐食しガス漏れが発生するのは仕方ないらしい。当マンションは、その年限を遥かにオーバーしている。
廊下のコンクリートをドリルで剥がし、更に50cm程掘った所に配管が見えてきた。それから更に、2メートルくらい配管に沿って廊下を剥がしてきたところでガス漏れ個所が見つかった。何と、直径2-3cm程の穴が開いているではないか。これは、昨日今日に開いたものではない。すでに、何年も前から漏れていたのだ。地下の割れ目を通り、そのごく一部が一階のお部屋に侵入し、警報器が検知したようである。外出する時はその場所を常に通るのだが、臭気を感じたことはなかった。全くもって、そのお部屋に用心のために掛けてあったガス検知器のおかげで、重大事故に至らずに澄んだ…。思えば思うほどゾッとする話である。
長年の腐食で、ガス管に2-3cm大の穴が開いていた…
そこで疑問なのだが、いずれ腐食する配管を何故に埋設しなければならなかったのだろうかと…。むしろ天井下の壁を這わせた方が、ガス漏れ検査を簡単に行える。また、地中に較べ湿気も少なく配管の寿命にも良いことが、素人でもわかる。プロである工事業者が、いずれ重大事故にもつながりかねない配管腐食のことをわかっていながら、何故このようなアホな施工を行っていたのだろうか。確かに、配管類は埋設したほうがスッキリ見える。しかし、事は安全性に係る問題である。結局それは、売らんがためのデザイン優先の為である。どうせ問題が発覚するのは20年後、30年後だから、やっちゃえ…みたいないい加減な、当時の態度が透けて見えてくる。
そこで言っておきたい。「お前ら設計に携わる者は、プロとしての矜持がないのか」と。
これは技術云々以前の問題である。
このような事例が、素人考えだが、近年いくらでもある。
最たる例は原発である。よくトイレの無いマンションと言われる。使用済み核燃料の処分のことについて何にも考えていやしない。今の世代が良ければそれで良し。後は後世にお任せ主義である。フクシマで懲りずに、再稼働を企んでいる。益々ドツボにハマり込んでいくとしか思われない。しかも、テロやミサイル攻撃の標的にもされかねず、国防上も危うい…というのにである。国内では核廃棄物を大量に生み出しながら、その電気を使って製品を余分に製造し、せっせと外貨稼ぎに奔走している。いっそ、核廃棄物付きで製品を輸出すればよいものを…。
巨大なダムにも懐疑的である。100年持ったとしても、101年目からどうするのだろうか。土石が堆積していく。いずれは、尾瀬沼のような広大な湿原にしていくつもりなのだろうか…。
都会の高層ビルなんかも危ういな…。関東大震災級の震災に遭遇したら、無事では済むまい。建物は倒壊しなくとも、ビル風に煽られ周辺に火災旋風が発生したら、或いは、液状化、堤防決壊、等など。停電や断水も発生する。机上の計算では予期せぬことが起きるものが大災害である。3.11の直撃は幸い逃れた都心だが、いまだに高層化が進んでいる。破滅に向かって突き進んでいるとしか思えない…。
他にも、中央高速のトンネルパネルの崩落事故しかり、看板落下事故しかり。技術以前の問題が益々露呈してくるだろう…。
---
ガキの頃、鉄道は蒸気機関車で、クルマもない、水道もない、ガスも無い、TVもない。海・山・畑から食う糧を得る半自給自足的生活を体験している古い人間でござんす…。文明がいかに進歩しようが、人間忘れてはならない生活の原点がそこにあると、実は今でも思っている。
社会人となり一時は、色々な先端機器を扱った。そして感じることは、機械は故障するということに尽きる。だから、如何に高度に技術が進歩しようが、基本は変わらない。げんに、このガス漏れ検査は、40年前の手法と全く変わらず、そして20人程の大量の作業員が動員されていた。ネット上では、テクノロジーは大いに進歩しているようにも思えても、実は足元でやっている事は、昔と全く変わらす泥臭い。そういうことを本日は実感したのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿