近年の洪水被害報道を観て感ずることは、流木の異常な多さである。しかも激しい流れに身を任せ暴れ狂う丸太が多い。巨木が直撃すれば家屋はひとたまりもない。橋げたに引っ掛かれば一時的なダム現象が生じ、決壊することで下流域に更なる被害を拡大する。言わば洪水の将棋倒し現象である。被害が想定以上に拡大するのは当然である。
大雨洪水被害は確かに自然災害である。だが、これは想定しうるもの。むしろ、これを無視した植林政策に問題はなかったのか…。そんな時、次のブログを発見した。
これを読んで納得。流木の大量発生原因が解る。近年の大規模洪水被害は、人災であることは明らかである。
このブログでも指摘されているように、河川工学の専門家が、植林そのものの問題点(杉の挿し木植林)に言及していないのは気がかりである。
この前の津波でも、流木被害が気になっていた。私自身の撮った写真を参考までに掲載しておく。貯木場から流れ出た巨木が暴れまわり、家屋を次々と破壊していったことが想像できる。
旧大船渡病院下
海岸からだいぶ離れた盛地区でもご覧の通り…
高台の字の森停留所にも丸太が転がっていた
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災害はさておき、これら大量の流木をエネルギーに転用できないものだろうか。ただ腐らせるだけではもったいない。素人考えだが、バイオマス発電に活用できると思うのだが。例えば、全国の河川下流域や河口付近に小中規模のバイオマス発電所を設ける。川や海岸の流木、近隣の町や森林からの廃材や間伐材等を有効利用する再生エネルギーである。燃料となる木材が周辺で採取できるわけで、石油・石炭のように地球の裏側から運ぶ必要もない。エネルギーの地産地消は、地球温暖化対策にもなるはずである。
現状の植林状態(戦後の植林政策によるものか…)では、洪水のたびに流木が上流から大量に流れてくる。これを現実として受け止めざるを得ない。当面の対策としては、洪水の発生直前に橋を破壊するのはどうであろうか。そのためには、洪水の予想される山間の小中規模河川には堅牢な橋は作らない。壊してまた作る方式の簡易橋梁にする。そして材料は流木を使うことで基本材料費はゼロ、如何だろうか。洪水被害よりも遥かに安くつくと思うのだが。古来、ヒトは自然の力をうまく利用してきた。水車、帆船、筏、水運、温泉等など…、橋もそういうことかな。